7月最終日曜日、北オホーツクウルトラマラソンを走ってまいりました!
場所は北海道稚内にほど近い、オホーツク海と宗谷海峡に面した最北の地です。
自分はウルトラウーマン(ウルトラマラソンに出る人)ではないと思います。
しかし、10月開催の四万十ウルトラマラソンには出てみたいなぁ、という思いがありました。
四万十は人気が高く、3-4倍の抽選制です。
なんとなく当選するような気がしており、その前に北オホで感覚的にどんなものなのか?未知なる距離にチャレンジしてみたかったのです。
(その後、四万十は当選しました!)
ラン友さんのススメもあり(5年位前に50kmで出走し、アットホームでよい大会だと)、6月にポチ!とエントリー。
今回も、時系列の大会レポは長くなりますので、ご興味ある方は続きをお読みくださーい。
ウルトラは朝5時スタートです。
受付もあるため、前日、羽田から稚内へ。
台風が接近中でしたが、羽田を飛ぶタイミングではセーフ。
上空はいつもながら晴れています。
稚内空港。
こじんまりしていますが、2階にANA Festaのお土産屋さんやレストランはあります。
北海道は広いので移動にはツアーを利用。
ツアーデスクの方に名前を告げて、会場までの移動バスへ。
飛行機の時間に合わせて乗客を待ってくれています。
稚内空港から浜頓別町まで、1時間半の小旅。
途中で宗谷岬に立ち寄り、バスから降りて20分余り小散歩。
おぉ、日本最北端の地!
北海道の最北の(ツアーガイドさんいわく)カニの爪先部分です。
北方領土は天気が良ければ見えるそうです。
すべてが「最北端」!
こちらお土産屋さん兼郵便局
全く予定になかった記念の買物「日本最北端到着証明」100円
観光客撮影慣れしているようす。
たまたま京都マラソンで会ったラン友さんにバスで再会!
この20分休憩のうちに、最北の食堂で見事なイクラ丼をたいらげておられました。
旅先の時間は不思議な感覚で、たった20分でも濃い印象になります。
再びバスに乗り込み、
「明日は、みなさんこちらの風景の中を走りますよ〜」とツアーガイドさん。(車窓越しのため雲が緑がかっています)
会場の多目的アリーナ前に到着。
浜頓別町は、ホタテも毛ガニも美味しいそうです。
両脇の町には、それぞれ帆立御殿や毛ガニ御殿が建ち並ぶそうで、中程の浜頓別町は海の恵を受けているのですね。
受付を済ませて、明日の天気と気温は・・・
この日の関東は梅雨明けから猛暑入りのはず。
に比べて2,3℃は低いですが、本来この時期の稚内は暑くても24℃程度。夏の冷房設備はないのです(宿泊先のウィングも冷房設備はなかったです)。
「明日は温かいからね」と現地の受付の方々はにこやかですが、けして皮肉ではなく、この地域の方にとっては真夏日は数日のことで「温かい」と言う表現をされるそうです(同室になった札幌のラン友さん談)。
さすれば、暑くなる前になるべく遠くまで走っておこう!と決めました(笑)
大会前日夕方5時からは「前夜祭」です。
その前にアリーナから徒歩15分の宿泊先へ移動。
15分歩くといっても、終始見通しのよい道路で、信号機も要らない(笑)
前を歩いていた「赤いTシャツの人についていけば宿につけるだろう」とGoogleナビ不要な土地で、テキトーな勘で歩いていきました。
赤いTシャツの女性Eさんは同室でした(笑)
大会中走っている時間以外はほとんど一緒で、楽しいプチ合宿のようでした。
Eさんは、昨年も北オホを走っており、今年6月のサロマ湖100kmを走ってきた後なので、いろいろウルトラについても教えていただけたのです。
ふたたび、多目的アリーナの「前夜祭」の会場へ。
あちらこちら付近のホテルや宿、キャンプ組も一斉に集まっています。
季節的に屋外キャンプで大会に出るランナーさんも多かったです。
つまり浜頓別町は、夏場のキャンプ場が拡充しており、クッチャロ湖など景色を満喫しながらアウトドアを楽しめるそうです。
ご当地にはよつ葉乳業さんがあり、ヨーグルト(味が濃い!)や牛乳、滞在中しばしば見かけた大福のお土産をいただきました。
大福は大会中の補食にしようかな、と頭によぎったところ、
Eさん「この大福、明日大会でたくさんエイドにあるから・・」
とのこと!
三栄製菓さんの大福は、セイコーマート(北海道に多い?)で見かけますが、伸びやかで美味しいですよ。
さて、開会宣言やご挨拶など続き、かんぱ〜い!
軽食とのことですが、しっかりお料理も。
足の速いランナーさんたちは走力になりそうなフードがすぐわかるのか、速攻人気メニューは無くなっていきました(笑)
私もEさんも、この後ホテルの夕食があるので、小腹を満たす程度で。
太鼓の演奏で応援!
走るようになってから、太鼓の音はとても身体に共鳴し、躯体が前進する力になると実感しています。
そう、太鼓は第1チャクラと通じる音です(笑)
浜頓別町のゆるキャラ、スワットン
白鳥×ブタ のハイブリット 公式マスコットです。
前夜祭は5時スタート6時にはお開き。
宿のウィングに戻り、夕食を食べて温泉に入り明朝の準備。
Eさんと、起床時間は2時40分に決定し、逆算して20時就寝。
エアコンがないので蒸し暑さを感じつつ、ぐっすり寝た感じはしないまま、予定どおり2時30分にはふたりとも起きていました。
朝食はランナー向けに、2時30分〜3時30分ビュッフェ形式で用意されていました。
ふつうなら夜中ですが・・・
エネルギー源になりそうなものをチョイス。
私は温泉卵、納豆、固め炊きのお粥などをチョイス。
3時40分、会場行きのミニバスに乗り、多目的アリーナへ。
この季節、4時代でも明るいのと、朝の気温はまずまずとよい感じです。
アリーナの中は男女更衣室や、トイレ、自販機もあり、最後の荷物調整。
北オホの大会では、コース途中2箇所にスペシャルドリンクを預けておくことができます。
お手製で作ったり、スポドリを入れたペットボトルにエナジージェルなどをテープで巻きつけて、クーラーに入れておけば、その場で摂取できますから。
私は今回預けませんでした。
去年、おきなわマラソンで何箇所か置きましたが、はちみつを入れすぎて薬品的な味わいになり、トラウマになっているようです(笑)
この多目的アリーナは、50kmランナーにとってはゴールであり、100kmランナーは中継地点。
一旦、50kmで戻ってきたらあらかじめ預けておいたドロップバックから着替える人もいれば、補給食を食べる人もいます。
ということで、12時までに50km走って戻ればココの関門セーフですね!
4:45頃から和やかに並びはじめたランナーたち。
1年に1度の大会のために、浜頓別町の皆さんが楽しみにしながら運営の準備をされてきたことが、要所要所に伺えました。
「記録を狙っている方は、前のほうにどうぞー」というアナウンス(笑)
そして、5:00 町長さんの号砲でスタート!
フルマラソンと比べてスタートの勢いが緩やかで、のどかでです(笑)
スタートして1.5kmあたりにキャンプ場があり、クッチャロ湖の前あたりでキャンパーさんたちが、応援してくれました。
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1.5/100kmですから、まだ全然元気ですけど。
序盤から壮大な景色。
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フルマラソンの大会ではスマホは持たないで走りますが、初のウルトラで撮りたくなるかも、というのと
熊出没、「鹿が突進してくる可能性があります」と前夜祭で聞いており、万一に備えて装備しました。
早速10km手前のトイレで、牛の群。
人の応援より牛がほうが多い?!のは本当かも。
乳牛用と食肉用の違いはわかりませんが。
ランナーが通ると、牛たちが遠くから寄ってきました。
ちょうど10kmのトイレは空いていたので、こちらを利用。
思えば17:56のフィニッシュまで、トイレは2箇所寄っただけです。
大会コースの名物、エサヌカ直線道路に入りまーす。
写真では伝わりにくいですが、360℃がでっかいどぅ(むか〜しやっていた北海道キャンペーンのコピーですー笑)
おっと、タイムトラベルですか?!
まだこのあたりは前後にランナーさんが多いですし、日差しは薄く走りやかったため、それほどの頑張りは不要でした。
景色の全貌を見たわせるので、腰が落ちず、比較的フォームも安定して走りやすかったです。
(って、まだ20kmもさしかかってない頃ですからねー笑)
20km近辺から、食べ物のエイドが出るように。
そうそう、前夜祭で見た三栄製菓さんの大福、バーション4
ランチパック的(たぶんY社ではない)なピーナッツバターサンドは何度か栄養源にいただきました。
このあたりから、以降2-3kmごとの給水とエイドでは、ことごとく水かぶりのお世話になり、20-30回浴びてます。
気温が28℃以上だとすぐ乾いてしまいますし、身体を冷やすのは必須です。
25kmすぎからアップダウンな坂が増えてきました。
公式サイトより
この小さな刻みが、現実は結構な坂で・・・
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確かにフラットなコースとは聞いていなかったけれど、それほどの劇坂はないと思っていましたが、あるっちゃある、な連続坂道劇場でした。
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オールスポーツさんたちがちょうど撮影されており、上り坂の証明(笑)
ひとつ坂を上った頂点に、給水やエイドがあるという設定。
ランナーが坂を上がってくるのを、ボランティアさんたち数人グループで、待ち構えており・・・なんと
双眼鏡でゼッケン番号から、名簿で名前と都道府県をチェック!
大声で名前を読んで応援してくれました
ハァハァ、上りきりながら素敵な小ネタを撮らせてもらい、少しでも水を飲みながら立ち話をすると、身体は元気をもらいます。
フルならあと2.195kmなんだけどなぁ〜
各km表示の下に、招待選手や町長さんや子供たちからのメッセージが書かれています。
つい読んでしまいますが、走行中の現場において、響くメッセージばかりでした!
「下を向くな!前だけみて行け!」
・・・そう、そうよね〜
人は状況によって受け止め方が違うものですねー
50km中間地点に着くまで、まだまだ上り下りのウェーブを繰り返し、スタート地点のアリーナには、10:36:14に戻ってきました。
ここで、あんぱんを食べたり、エイドのうどん、スイカなどをいただき・・・
9分ほど居たことになりますが、ここから走り初めてしばらくはなぜかドドっと疲れが出ましたね〜
50-60kmはほとんど上りはありませんが、何か対策が必要そうです!
タイムを見ると、後半は大失速したことになりますので(笑)
さて、後半コースはオホーツク海を眺めながら、ランナー通しの間隔は前後ともだいぶ開きがありつつ、前進あるのみ。
だんだん、同じペースで走っている周りのランナーさんたちと顔なじみになり、折り返しで声をかけあったり、エイドのタイミングで合流すると「お互いがんばりましょー」といった会話が増えてきました。
この気温においては、風の抵抗は暑さを緩和してくれるように感じます。
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風力発電所があるということは、風が強いということ!?
この風車群のあたりでは、ブンブンと音がするほどでした。
このあたりのエイドでオレンジジュースと道民熱愛?のコーラを飲んで、足もメンタルも復活してきました。
エイドの飲み物、食べ物とは各人相性があるようですね。
普通は果物、バナナ、(夏場は)スイカ、トマトなどシャキッとしてパワーになります。
私は個人的にスカイ、トマトなどの水分をとると、足がぐんと重たくなってしまいますので、50km地点も含め、控えたほうがよいようです。
70km以降も上り下りのウェーブはありながら、メンタル的には驚くことはなく淡々と進むことに。
このあたりから、通称吊り仲間(足が吊りやすい人)を見かけるようになり、あるエイドで立ち止まったときに、すごい勢いで倒れたランナーさんがいました。
急に足が吊れてしまい、とても痛そうで・・・
エイドのボランティアさんと、居合わせたランナーさんたちで「ゆっくり呼吸してー」とやっているうちに、痛みは収まったようでした。
私は足は吊ったことはありませんが(吊るほど速く走っていない?!)「塩分チャージ」の熱中症予防飴は、いつも持っていましたので、それを差し上げて、またレースに戻りました。
長い距離だとドラマもありますね。
終始自然の中を走れることで、私は風景としても大会としても飽きることはまったくありませんでした。
関門に間に合わないときは、救護の際には、自衛隊の装甲車が収容車に。
万一のときは、乗せていただくのも魅力的?!
(ふつうの大会は大型バスが多いですから)
自然といえば、ご当地、アブがブンブン飛んでいたようで、持っているタオルをバシバシ振り回しながら走っている人たちもいました。
エイドで虫除けスプレーをかけてもらっておいたおかげか、また一応、虫対策として虫除けバンドを手首と足首につけておいたので、アブの被害はありませんでした。
(帰宅後、一箇所刺さされたことが判明!蚊より吸い口が大きいです)
最後の10kmは長いと思ったのか、あっという間だったのか、今となっては印象が薄いですが・・・
だんだん街中で応援の旗を振ってくださる方々が増えました。
応援には、声と手では応えましたが、足は速くなりませーん!
もう向かう方向に向かって進むしかない!
フィニッシュしたら、温泉入ってから・・・・とその後の段取りが雑念のごとく浮かびつつ(笑)
足にお任せしてごちゃごちゃ考えるのはやめることに。
ゴールが見えてからほんの数百メートルが体感的には長く感じるんですが・・・・
フィニッシュ会場のアナウンスの声が聞こえてくると、心なしかペースが上がるという(足が反応してくれているのか)・・・
夕日が明るくオレンジ色に見えました。
みるみるフィニッシュテープは近づいてきます!
直前のランナーさんがゴールしたら、すぐテープを持って待機してくれるんですね〜
・・・からの
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と、オールスポーツさんいい仕事してくださいます(笑)
夕陽のタイミングでゴールタイムも良かったようです?!
その後、メダルをかけていただき完走証をいただき、
立ち止まると、足も身体も固まりそうでしたから、アリーナで荷物をピックアップして、フィニッシュ前によぎった雑念どおり、宿泊先のウィングの温泉まで15分歩いて帰りました。
ちなみに、フィニッシュ近くにも銭湯があるそうで、ゴールタイムによっては、あらかじめ着替えを預けておけば、走後にすぐ寄れますね。
前夜祭があるからには、任意参加の後夜祭もあります。
しかし、ウィングに戻ったらお顔なじみになったランナーさんたちとたくさんお会いしたので、もはや後夜祭までは力尽きているようでした。
温泉は、美人の湯〜とうたわれる良泉で、ぬるっとしたお湯のタイプです。
ところで100km走ってくると、意外なところが負傷しているものです。
ランニングブラの胸の下あたりは、いつもワセリンをつけていますが、汗やかぶり水で流れてしまうのか、結構ひりひりと切れていました。
ほかにも、私の場合は摩擦による擦り傷があちらこちらと。
また、前回の黒部名水マラソンもでしたが、暑い中を長時間走ると、走後はしばらく目が痛くなりますね。
疲労や紫外線によるダメージが目にきやすいようです。
専用の目薬をさすと、翌日にはおさまっています。
しみじみ、身体は不思議なもので、がんばってくれた分、新しいダメージも教えてくれます。
大会の夜は、同室のEさんとあれかれ話ながら(彼女は後夜祭にいって、完走新聞や帆立貝柱のお土産をもってきてくれました)、回復のために夕食にいってのんびりし、帰りの支度などをして就寝。
何でも初めてのことは思い出が強く、また最初の体験が先々に難しいことがあったときの軸になるように感じています!
そういう意味でも、最初のウルトラマラソンで北オホーツクを走らせてもらい、とてもラッキーでした。
地元の方々の心のこもったおもてなしと、みなさんが1年に1度を楽しみにぬかりなく運営の準備をしてくださったことにも感謝です。
北オホーツク100kmマラソン&浜頓別町 ありがとうございました!!