今年にはいって、1、2週間に1度ご相談される女性Kさん。
息子2人が大学と高校ダブルで、受験まっただ中。センター試験が終わると、結果が心配になり、私立が受かれば本命の国立はどうしたものか、と・・・
家族や身内について、あれこれと心配の種を話していかれるのです。
話の後半は、延命治療をしている実母の話になります。
医師から「延命治療をしても、苦しませるだけだから。。。もう間もないから」と告げられたそうです。
ちなみに、医療的な診断、裁判、犯罪関係のご相談について、私は立場上お答えはできないのですが、Kさんはそれはわかったうえで、話さずにはいられないようでした。
Kさんも、お母様のお世話をしている妹さんも、
「母は生きたいと思っていますよね?(延命治療を続けていいんですよね?)」
「いずれ逝くのはわかってるんですが、このまま苦しみながら死んでしまいますか?」
「どのくらい持ってくれるでしょう?今、息子たちの受験でせわしないから、せめて受験が終わるまでもってほしい・・・」
なかなか、本心を言える機会はないのでしょう。
Kさんは、ご自分で答えを持っていながら、それを確認するように、一方的に話していかれます。
「こんなこと聞かれても、ですよね」と、ひととおりお話終えると、
「今日はこれで大丈夫です!ありがとうございました!!」と元気ながら忙しないお声で、セッションを終えます。
翌週には、息子たちの経過、夫のこともたまに、そしてお母様の容態をお話しになるのです。
そして、昨日の朝・・・
「先生、母、亡くなりました!まだあちらに逝ってないかもしれないけど、苦しんでないですよね?」
とご報告してくださいました。
お母様からは、Kさんや妹さんに対して「ありがとう」という想いを感じましたので、それを伝えました。
Kさん「あー、よかったわ!じゃ、今日はこれで大丈夫です!ありがとうございました!!」と。
妻、母、娘として、今を精一杯こなしているKさんには、医療的な見解や倫理観より、そのままのお話をお伺いすることにしています。
延命治療は、家族や周りの意志で行なわれることが多いと言われます。コチラ側の人間の心の準備期間なのかもしれません。
健康なときは、自分や肉親の延命治療なんていらない、と思う方は多いでしょうが、必要な状態になったとき、同じように思うかどうかは・・・・