家族関係の悩みや問題は、いくつになってもふぃに訪れるようです。
大人になり、別世帯になり、関わる用事がなければ避けて通れるかもしれません。
しかし、幸か不幸か、フタをしておきたい家族や親子間の葛藤が発生、ときには爆発レベルで勃発します。
幸でも不幸でもないと思いますが。
父の日セラピーを受けにいらしたのはMさん。
「私の父について、ここいらで徹底的にスッキリしたいのです。こういうこと(M家の問題)はずっと引っかかっていてなんとなくかわしてきましたが・・・顔をあわせるのが億劫なのも癪だし。本来は父親へのプレゼントなんでしょうが、自分が父親とどうしていけばいいかセラピーを受けます」
Mさんは、無意識にご自分の中にある父親の幻影と向き合う用意ができて、いらしたのかもしれません。
リーディングをしてみると、「葛藤」を象徴するエピソード(物語)がいくつも出てきました。
過去世までも、葛藤を題材にしたような人生。
Mさんに限らず、葛藤を構成する要素のほとんどは、過去のエピソードです。
「ふだんはそんなに過去を気にしないんですが、父親と話したり、父のことを心配すると、イライラするほど混乱します」
葛藤を大きく分けると、「内なる葛藤(自分に対する)」と「外に対する葛藤(特定の人物・状況など)」になります。
内と外と2種類あるように感じるでしょうが、ちょうど洋服の裏表みたいなものです。
だから、結局、同じモノですが、外と内・表と裏の違いは際立って感じます。
服の場合なら、見た目や外見が落ち着かないのも、通気性や肌触りなどの着心地も、ともに快適かどうか問題になり得ますね。
Mさんの葛藤のテーマを見立てると、内なる葛藤が6割、父親(のような人を含む)など他者に対する葛藤4割といった具合です。
「内なる葛藤」など内側にある葛藤、心配、恐れ、危惧などは、「自分に尋ねる」のが基本です。
自分とのコミュニケーションを求めていますし、自分にちゃん聞けば、答え(応え)が出ます。
ちゃんと聞くとは、質問する、という簡単なレベルです。
一方、他者「外に対する葛藤」は、その相手や状況に関するコミュニケーションの機会を求めています。
その機会がないとか、相手は聞く耳を持たないだろう、という先入観なく、言葉にするなら、相手の存在を尊重する・リスペクトするうえでのコミュニケーションです。
その前に内なる葛藤が邪魔をして、相手とコミュニケーションをとることを拒むかもしれませんが。
「相手の存在を尊重・リスペクトする」には、少しばかり段階があります。
相手を・・・
尊重する
認める・肯定する
許す
葛藤が複雑で根深いほど、許す域に入ります。
それほどこじれた関係であったり問題などがないと、相手や相手との関係をぞんざいに扱ったり、親しさゆえに無神経に接していることに気づかないかもしれません。
基本的に、葛藤の有無に限らず、人や物事をクリア(明晰)に、今に集中して関わるほど、何事にも何者にも尊重する態度、あり方におのずと落ち着くようです。
Mさんには、過去の葛藤の原因となった経験やエピソードを、過去の時間軸から「今」または「時間の概念に影響されないポイント」にシフトするタイムトラベルを体験してもらいました。
すると、面白いほどに、過去の体験は葛藤のない状態に変わり、間が抜けるほど、頓着のない広がりのあるマインドになりました。
エネルギーはもちろん明るくなります。
楽しくなります。
Mさん自身の内なる葛藤が解放されると、主にお父様に対して起こる葛藤や苛立ち、心配や思いこみも、どんどんほぐれていきました。
Mさん「葛藤のモードになっているときは、それしかあり得ないというくらいの出来事や父親の人物像だったんですが、それもひとつの見え方とか、感じ方だったんでしょうか・・・」
そうですね。
SF的なイメージのある「パラレルライフ(並行人生)」に対して、個人的な感情を伴う経験は地味に思えますが、後者にこそパラレルライフは多数存在しています。
特定の人物、経験には、過去と位置付けるにせよ、未来とみなすにせよ、さまざまな展開が並行しています。
葛藤に代表されるような、心配、恐れ、危惧などから自由であるほど、並行人生は自在に展開します。
Mさん「父親に対して新しい気持ちになれると、自分も新しいことができそうな、新しい人生が何かわからないけど、新しく過ごせるような感じです。よく意味わからないですよね?!(笑)」
ちなみに、葛藤は物理的に暗い、窮屈なところにいると、余計にこんがらがります。
物理的に明るい、広々と解放的なところに身をおいて過ごしてみましょう。
マンネリでない1日を過ごすなども、葛藤を解く刺激になるようです。
また、中高年以上や、若い方やお子さんでも大人と酷似した生活のようでしたら、じっくり深く眠ることで、睡眠中に葛藤によるストレスを緩和していくでしょう。
ただ、葛藤が勝ると浅い眠りになりやすいので、運動をしたり、環境を整えるなど、複合的に工夫するとよいでしょう。