もともと女性クライアントが多い世界ですから、常々お仕事、転職、天職のご相談は通年トピック。
しかし、今春、3月は「男の転職」相談がとても多いですね。
特にこれまでおよそ転職や離職を検討せず、あるいは転職経験はあっても、一通りのプロセスで新しい仕事に就けたものの、どうも今回は葛藤や迷い、躊躇いが強い、という具合です。
男性にとっての仕事は、女性と比べて、一つ大きな違いがあります。
それは、仕事=存在の証明・・・それくらいのインパクトを示します!
時代が変わり、男性の特性や本能はだいぶ変容してきています。
とはいえ、時代も生物も一夜で(流石にそれはないにせよ・・・短期間で)様相を変えるわけにはいきません。
少なくとも、就職というステップを踏んで仕事に就いている男性は、その仕事の成果やパフォーマンスが、評価や給与として証明を図られています。
多分にして、理屈や常識以上に、女性にわかり得ない感覚とルールが支配しております。
だいぶトランスジェンダーの方々も活躍の場が増しましたが、男性の要素(ホルモンやDNA、後天的影響など)が優勢になる事態において、仕事ややりがいは、存在の証明に値いするようです。
普段は奥さんのカウンセリングに連れ添ったり、Skypeセラピーでは、画面の横からにこやかに挨拶されるAさん。
「今回は、A(夫)が仕事のことで相談があるみたいで・・・」と代わりに予約を取られました。
家族ともどもオーストラリア生活は長く、ご主人は国の方ですから現地の会社に勤めています。
ひょんなことで、自分と周りの人間の給与を知ってしまい、自分のマネージャーポジションには見合わない金額に唖然としてしまったそうです。
上司の態度や、周囲の人間関係、社内にもストレスが溜まっていました。
「これを機に転職していいものか?」
彼の中では憤慨もあり、半ばYESを決めているご様子。
給与の評価というのは、時として、うまくできているものです。(不動産や物件の価格も)
Aさんが、正当に評価をされていないと感じるのはご尤もでしょうが、この評価は、Aさんの実力やパフォーマンスをもっと発揮することを求めているようでした。
これは、仮に近い将来、Aさんが転職した先でも同じことで、特定のプロジェクトやチームに対してではなく、Aさんの働きぶりを示すことで、正当に評価される場所(会社・組織)へ移行できるわけです。
現段階で転職を探しても、今の会社に不満の感情を残したままになるでしょう。
また、面白いことに?!Aさんのチームが取り組んでいるプロジェクトの顧客が、プロジェクトの進捗に対して不満や強い圧力を抱いている様が視えました。
そのような案件の影響が、Aさんやチームメンバーの態度に及ぶことがあります。
しかし、そもそもAさんは、このプロジェクトやチームを牽引する立場であり、能力を発揮していくことで、自分たちも相手側も、事がスムーズに運ぶことでしょう。
「早々にチームをまとめて、顧客にプレゼンミーティングの場を設けるようにします」と、Aさんは早速、次の動きが決まりました。
「それが片付いたら転職できますか?」
Aさんと奥様から、質問がありました。
それを片付けた頃には、Aさん自身で今後の進退がわかるでしょう。
転職をするか、しないかが問題ではなく、ご自身がどうしたいのかわからない状態であったことにテーマがあります。
片付けた頃には、今の会社のボスから、別のオファーがありそうでしたが、それを受けるか、転職に踏み切るかは、Aさんが判断できるでしょう(予見)。
スポーツ特待で入社したKさん。
「特に今の会社や職種が良いと思ったわけではなくて、スポーツを続ける関係で入社してますから」と。
しかし、昨今の会社の動向、仕事の内容は、Kさんにとって停滞し、楽しくないものになっていました。
縁故もあり、無難に会社に留まるつもりでいらしたのですが、給与やボーナスは上がらず、むしろ昇給は減っています。
家族やマイホーム購入後のローンを考えると、このままでは豊かな生活をしていくには不足があるのはわかっているようです。
「ただ、転職をしたことがないし、全くわからないので、とても不安です」
「最初の一歩を踏み出すまでは不安で怖い」という法則ですね。
無難で安定しているような仕事や働きをしていると(Kさんの場合、すでに衰退に入りかかっていましたが)だんだんエネルギーが弱くなります。
少し背伸びをしたり、チャレンジ、課題に取り組む、疲れすぎる手前の充実感を発揮していないと、本来の力を維持するどころか、減退に向かいます。
良くも悪くも慣れると、萎えるものです。
あいにく、Kさんの勤務先の経営陣は会社の進退に鷹揚ですから、受け身に待っていると一緒に溺れてしまいそう!
「そうですよね、危機感は感じます。でも、どういう仕事や会社が向いているんでしょう。造り甲斐のある面白さを感じた仕事をしたことはありますが・・・」
ですよね・・・何が向いているか?適正を考えてしまいますね。
しかし、もともとKさんはスポーツタイプということもあり、本心や意志を適当にごまかくことは苦手なはず。
適正が合うから、仕事にするというより、Kさん自身の熱意やコミットがあってこそ本領を発揮する方です。
充実しているときは、全てが充実するタイプです。(逆に凹むとあれこれ凹む)
Kさんにとって大事なもの、大事な生き方が、はっきり自覚できると、それをサポートする次の就職先が巡ってきます。
家族、スポーツ活動(将来は、スポーツ関係で仕事を興したいとのこと)は優先したいということで、そこに本気のコミットのスイッチが入ると、両立や調和がうまく取れます。
男性は、正の力も負の力も、女性より相対的に強いため、正の力を発揮し始めると、自他に対して何倍もの働きを発揮します。
(負の力を発揮されると、相当巻き込みます)
Sさんのカウンセリング中に、ご主人が最近までかなり会社でのストレスが強い状況にあった様子が視られました。
ご夫婦でずっと働いていますから、お互い仕事や育児にも対等に接しています。
Sさんは、もうそろそろ長年の勤務生活にピリオドを打って、家庭に入り、他の活動をしてみたい・・・とお考えのようです。
「私がもう辞めたいというと、収入が1本になることをあからさまに言ってくるんですよね〜」と。
ご主人は、その会社の状況からすると、にっちもさっちも動かない、安定というよりスタックした(詰まる、ギシギシしている)仕事の仕方をしてきた様子。
潜在的にもっと仕事がデキる方ですが、その場所はやりようがなく、詰まっていてそれも苦しい様です。
そして、長年のご夫婦間のあ・うんからか「自分が転職をしたり、仕事を変えることはSさん(奥さん)が心配したり、反対するんじゃないか?」という先入観をお持ちのようでした。
何かの会話のやり取りや、世間の常識から、そんなふうに決めていたのかもしれません。
Sさん自身は「えー、私は夫が転職してもいいと思ってます。もちろんすぐ次で働いて欲しいですがー(笑)」と。
ちょっとした会話の折に、ご主人の仕事について、Sさんの正直な考えを伝えてもいい頃かもしれません。
結論は、転職した方が良いのか?がミソではなく、仕事において自分の存在が発揮されているか、または証明されているか?がポイントのようです。
大組織や旧態依然の経営企業では、世の中の変化はやや遅れていますが・・・だいぶ新しい動きになりましたね。
ちなみにですが・・・ニセの「存在の証明」で活躍したり、退屈してくると(停滞)、アバンチュールや危ない誘惑の方面へ向かってしまうのもオトコ苦笑
本日のトピック「男の転職」は、もちろん個々人差、タイミング違いはあります
何かしらヒントになれば幸いです。
・・・あるいは旦那さんや、身近な男性の方が転職を思案されていたら、客観的な思いやりでフォローできるかもしれません
よりお知らせをお届けいたします
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