昔から「夢枕に立つ」とか、亡くなる魂が近しい人のところに挨拶に訪れる、という話を聞いたことがあると思います。
実際、そのような体験をされる方は少なくないようです。
旅立ちの頃合いの時もあれば、信仰や慣習に則ったタイミング(初七日や四十九日、お盆、彼岸など)に魂の繋がりが起こることもあります。
肉親やごく親しいから現れるとも限らず、その方の生前の関係性とはそぐわない人物に意識体が反応する場合がよくあります。
生前の関係ではたまにしか関わらなかったり、何年も音沙汰がなかったのに、「意識の通信」の波長が合うと”連絡が取れる”といった具合でしょうか。
理由として考えられるのは、私たちが日常起きている時の意識は、生活機能が優勢です。行動や言語は肉体ベースによる感覚や働きに特化していますから、いわゆる「気配」「サイン」「魂の連絡」には疎くなります(感じる人も多くいますが)。
一方、睡眠中、とりわけ覚醒した脳波のときには、魂やスピリチュアルなファクター・情報通信にチャネルが合わせやすいのです。
高校生の頃に他界した母親のことを、一度も夢で見たことがなかったというKさんの弟さん。ところが、車の事故で足を骨折し入院していたとき、初めて夢の中で母親の姿を見たそうです。
「特に何も言ってなかったけど、若くて元気そうだったよ」とのこと。
弟さんが怪我をされたことで、身体機能や睡眠中の意識状態が日頃とは異なることも、きっかけかと思われますね。
Sさんの義理の弟さんは、大病から奇跡的に命は助かったものの、治療中の容態は家族、身内としても予断の許さない状態が続きました。回復を願いながらも、期待と不安で見守る日々は9ヶ月余りとなりました。
そして、義弟さんの容態の急変で、ご家族は最期の時を癒しの悲しみと感謝や安堵(「よく頑張ってくれた・・・」)と共にお見送りすることになりました。
その夜、Sさんの夢に現れた義弟さん。
「不思議な夢で、一緒に電車に乗って・・・・途中で○○駅あたりで降りようとしたら、すごい馬糞がたくさんあって(馬糞の夢は吉夢)降りれず・・・そしたら義弟が『じゃぁ、先に行くからね〜』と明るく手をふって、向こうに行っちゃったんですよ」
思い残しのない旅立ちをお迎えの方は、明るかったり、元気そうな姿で夢に現れるようですね。
愛犬を亡くされたMさん。
「長生きしてくれたし、家族が見守っているところで朝方に息が途絶えたので・・・十分してやれたと思います。で、その子(愛犬)の夢を見て・・・それが実は最初に家に来たときから足が悪くて1本義足をつけてたんですよ。でも、夢の中では元気そうに4本足で走ったり、後ろ足で顔をかいたりしてるんですよ。何ででしょうね・・・」と。
Mさんは、生前の足のわるかった愛犬しかご覧になっていないはずですので、きっとあちらの世界では元気な姿に戻れたのでしょうね。
先月、かくゆう私も、若い頃の(20代後半かアラサーか)母が元気そうに手を振っている夢を見ました。行く手には巨大な工事現場が広がっていました。
葬儀からひと月ほど経過した頃ですね。
工事現場のシーンの意味もユング的には納得ですが、その後、このひと月は、目下トレーニング三昧で夜は爆睡・・・夢には現れません(^^;
霊的な夢は、悩んだり意図的に考えているときには、むしろ見にくいようです。
見たとしても、ご自分で「寝る前に考えていたから」とか「昨日そういう話をしたから」などいう感覚があると思います。