4月から新社会人になった方々にとって、この夏までの数ヶ月は新しい環境とともに、様々な心境の変化がありますね。
学生の頃のスパンと比較すると、社会人生活はかなり長期戦です。しかし、つい学校時代の評価スパンから、短期的に、あるいはひとつふたつの経験から、先々のことが不安になりがちですね。
4月から新しい職場で慣れない仕事の多いAさん。
仕事の覚えがわるいのではないか?
先輩や上司は、自分の仕事が遅い、デキがわるいと思っていないか?
このまま今の仕事を続けていけるのか?
この仕事が向いていないかもしれない。
そんな不安から、お仕事の終わった遅い時間から、電話カウンセリングを受けられました。
ひとつひとつ、職場で起こった出来事に対して視ていきましたが、「複雑な仕事に一通り慣れていくには、やはりワンクール、はたまた1年かかる」ということがわかり、納得されたようでした。
しかし・・・
「そもそもこの仕事は私に向いているんでしょうか?上司は、私のことを使えないヤツだと思っていないでしょうか」
と、ご自分へのダメ出しが。
ここに、実はインナーチャイルド特有の陰の顔が現れてきました。
比較的わかりやすいインナーチャイルドの特性のほかに、5つの代表的な「陰のインナーチャイルド」がいます。
Aさんは、その中でも「読心術ー子どもの魔術」というチャイルドに当てはまりそうです(これは、ひとつ見立てですよ)。
「読心術」。子ども時代のある時期に、親や大人が「この子が何を考えているかは、すぐわかる」と言って決めつけてしまうときに、子どもの魔術的思考が強化される言われています。
親や大人はそんなつもりはないものの、子ども特有の受け取り方は、「自分の感覚を無視された、侮辱された」と認識して、ますます読心術に頼るようになります。
このような読心術を備えたインナーチャイルドは、たとえば、Xさんを嫌いに思うが、親や周りに人を嫌がってはいけないと大雑把に叱られたとします。
そこで、チャイルドは「人を嫌うようなことはいけない」というふうに、本音の微妙な感覚を隠します。
そして、「Xさんは、自分を嫌っていると思う」という解釈になっていきます。
大人になると、前出のAさんの例のように、上司や仕事が自分を嫌っている、合っていないという解釈に(ほぼ無意識に)なってしまいます。
このようなインナーチャイルドを持っているオトナの方には、物事をちゃんと現実に確認したり、わからなければ質問したり、尋ねてよいのだと、許可を与えてあげることです。
読心術のチャイルドをもった(実年齢の)大人たちは少なからずいらっしゃいます。
恋愛・パートナー関係、親子、親戚、職場、他人の集まりの中で、ちゃんと確認ができず、憶測や邪推でやり過ごし、自由なコミュニケーションがとれないまま、ご本人は困ってしまっています。
そして、結果的に相手や周りを振り回すこともあるでしょう。
読心術と、察する思いやりや心遣いとの大きな違いは、前者には恐れとコントロール(相手や状況を◯◯◯したい)が介在していることです。