セラピーやカウンセリングを受ける方達の中に、だいぶ普通に浸透した「インナーチャイルド」のテーマ。
ご自分のインナーチャイルドにどうも問題があるかもしれない、と考える方も少なくありません。あるいは、どこかで、誰かに指摘されたり、本などで読んで、自分は当てはまると思うようです。
子供の頃の経験が原点ですから、どなたでも、少なからず、問題を持っている存在はいます。あまり囚われると苦しくなりますが、あるひとつの捉え方としては、とても有益です。
(取り組み過ぎると、愉しすぎて中毒になります)
さて、インナーチャイルドの中でも、少しディープな5つのテーマを改めてご紹介します。
かなり昔、志麻コラムでもご紹介したかもしれませんね。
① 極端な思考をもつインナーチャイルド
善か悪か(良いか悪いか)、絶対的か絶望的か、英語ではAll Or Nothing (全てか無か)といった極端な考え方をもっています。
「もし、誰かが常に自分と一緒にいたいと思わなければ、その人は自分を本当に愛してはいない」
「仕事がなくなったら、この先、生きていけない」 など。
② 破滅的なインナーチャイルド
「危ない」「やめなさい」「早くしなさい」「◯◯しないと大変なことになる」等という強い口調で、この世の中は非常に危なく、恐ろしいものだと教えられています。そのため新しい試み、冒険、挑戦をすることは危ないと思っています。決められたことをしなければ、大変なことが起こるに違いないと考えます。
親自身もインナーチャイルドの問題があることが多く、無意識に恐れや悲劇的なことを抱いていますし、大人の言葉は子供がそのように解釈してしまうことを知らない場合が多いようです。(当時の親がわるいとは限らず、子供ながらの受けとり方をします)
「好きなことをやってみたいが、結果が出なければ無駄だ。意味がない」
「転職活動をしたいが、新しい仕事は今よりももっとわるい可能性がある」 など。
③ 普遍化・一般化するインナーチャイルド
ひとつの失敗や事件から、すべての出来事や状況を一般化して考えます。たとえば、一度失恋したら「自分はモテない」「誰も自分とデートしたくないんだ」という結論を出します。ひとりに無視されたら「自分は人間関係がうまくできない」などと、普遍的に書き換えて、自ら絶望的になってしまいます。
④ 読心術・子供の魔術をもつインナーチャイルド
親や大人が「この子は何を考えているかは、すぐわかる」等というときに、子供は自分の感覚を無意識に侮辱されたと感じ、「読心術」という魔術的思考を強化しています。
このようなインナーチャイルドのテーマを持つ大人は、現実をちゃんと確認する前に、頭の中であれこれ推測を巡らせます。相手の自分に対する気持ちや、物事の経緯など。本来はわからなければ質問して尋ねることができないようです。
たとえば、インナーチャイルドがAさんを嫌だなと思うけれど、親に人を嫌ってはいけないと叱られたとします。そこで、チャイルドは「人は嫌いになってはいけない」というふうに、本来の感覚を隠します。やがて、「Aさんは、私を嫌っていると思う」と本当に感じて、言うようになります。
「この仕事は自分に向いていない」とか「上司が自分を評価していない」などと感じて、読心術を使っている大人たちは、結構います。
⑤ 自己投影するインナーチャイルド
大人がむやみにチャイルドと一部しか共通点のないものを比較対象にすると、想像能力、イマジネーションの得意なインナーチャイルドは、自分と本来違うはずの他人を投影してみるようになります。
自己投影することで、ありのままの自分を受け入れることが難しくなります。何かになろうとしたり、自分らしさを見つけたり表現することに否定が起こります。
先日のサイキック講座上級では、自分で自分を視るワークの一貫として、ヒプノセラピーの誘導で体験していただきました。
受講生のおひとりが、「うちの母の世代、戦中・戦後生まれの方達にも、意外にインナーチャイルドのテーマを持っている人たち、多いですね」とおっしゃいました。
まさしく、時代背景や教育・慣習の影響は非常に大きいです。現在のインナーチャイルドと直面する素材は異なりますが、子供ながらの受け取り方や精神的な傷は、いずれも同型です。
珍しく重たい空気になってきましたが、インナーチャイルドのテーマがあるまま、セラピストやサイキック・スピリチュアル系のカウンセラーをやろうとすると、長期的には苦しくなったり、クライアントの課題に自己投影することになります。
このようなお仕事に限らず、子育て、仕事の昇格、人間関係全般に、インナーチャイルドが介入してくることは、けして少なくありません。
一度、ちゃんと向き合ってみると、教科書や本では教えてくれない、自分のある本質的な姿がみえてきますよ。
プロとしてご興味ある方は・・・マスター・ヒプノセラピスト養成講座