過換気症候群は、精神的なストレスなどにより、過度に呼吸を取り込みすぎて、苦しくなる、めまいが起こる、発作のようになる症状です。心身症のひとつです。
心配性、几帳面すぎる、さらには、自己犠牲が強い人に起こりやすいものです。
かつては、10−20代に若者に多いと言われていますが、過去にそのスイッチをもっていれば、中年になっても過換気症候群になる可能性があります。
両親、身内のお世話、親族の他界と長年に渡って忙しくしてきたTさん。大きな気がかりであった長男は無事に高校に受かり、明日は入学式!という前夜に、突然、息子さんが学校へ行くことを警戒しはじめした。
八つ当たりをしたり、騒いだりして、なだめようにもなだめられません。
そして、あるところを振り切ったときに、今度はTさんが突然、過換気症のスイッチが入ってしまいました。苦しむ、異常事態をみて、ようやく息子さんは憑物が落ちたように、静まったそうです。
ちゃんと入学式にも行けたのですが、Tさんとしては、過呼吸症が納まっても、体に強い疲労感や痛みを感じ、何もやる気が起こらなくなってしまいました。
「どんなに疲れていても、お風呂にはちゃんと入る習慣がありますが、ここ最近は、お風呂が面倒くさくて・・・こんなに入らないもの初めてです」と。
お風呂好きな人が入れなくなったときは、かなり気力や体力が消耗しているときです(風呂嫌いは除く)。
Tさんは、これまでも身内のご相談を度々されてきましたが、結婚以来20年以上、ご両親、義理の両親の看護や介護があり、お子さんの心身症などで、力を尽くしてきました。
さらに、自分が疲れていても、夫の態度が冷たかったりと、救いがない状態でした。
今となっては、それがひと段落したのですが、これまでの自己犠牲的な生き方が、Tさんに大きなサインを出したのですね。
Tさんに、発作を起こした部分に意識を向けてもらいました。やはり、胸のあたりです。
「よく見えないけれど、重たいです」
イメージに例えると?
「大きな灰色の岩が胸いっぱいにデンと構えています。小学2年生頃からあったみたい。子供の頃、父に問題があって母が働かねばならず、私が鍵っ子だったんですが、そのときは寂しかったですね」
その分、Tさんは、自分の子供たちは寂しくないように、子育てを頑張ってきました。
そして、当時のTさんの母親は、とにかく大黒柱がわりに一生懸命仕事をして、子供に構えないながら、ある意味、大きな自己犠牲を払ってきました。
Tさんは、無意識に、母親の自己犠牲的な生き方を知らぬ間に受けついでしまったのかもしれません。
先ほどの、過換気症を象徴するイメージ上の岩に、どうしたのか?を尋ねてもらいました。
「自由になりたい!」
これが、Tさんに対する大きなメッセージです。
いつの間にか義務感や責任感から、いっぱいいっぱいになっていたのでしょう。また、愛情のつもりで頑張っている母親の姿は、敏感な子供や(意外にも)夫にとっても、息苦しく、イライラさせるものです。
一生懸命がんばっているのに、周りはむしろ感謝するどころか、苦しくなっているのですが、皮肉ですね。
ようやくTさんのなかで、苦しさの原因がわかり、また自由であることに許可がおりたようです。
ちゃんとやることをやって生きてきた人は、「自由に、好きなことをする」ことで、プラスのエネルギーがどんどん増えます。
やることをやってきていない人の、自由気ままとは異なります
ちなみに、過換気症候群は「過呼吸」と結果的には同じ症状にみえますが、過呼吸は精神的ストレスに限らず、運動等によって起こることを含むのが、違いです。
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