過去や想い出に浸ることは、けっしてわるいことばかりではありません。

芸術や創作物の中には、ノスタルジーが多く表現されていますし、敢えて遺すことを尊ぶ美学や記録事物はたくさんあります。


しかし、ココでは負に働いてしまう場合のお話です。

 

負に働く場合には、不機嫌な気分になったり、暗く落ち込んだり、感情がこもったり、特定の人間関係に縛られたり・・・何より、病気になります(肉体的or精神的に)。

 

特に感情をともなう過去は、要注意です。

感情は生モノですから、時間とともに、変質したり、発酵します。発酵するとユニークなものになりますが、発酵菌のような要素と時間の掛け合わせによります。

 

過去に囚われやすい場所とは・・・

古い物が残(遺)っているところ。

長年住んでいる家や土地など、さまざまなドラマがあったところ。

昔から着ている衣類や装飾品、靴、かばんなど。

自分と過去のつながりをひきずる人間関係。

執着を持っている人


Iさんは、実家に帰省して数時間から数日経つと、決まって家族ケンカが始まり、最後は嫌な気分になって帰ってくるパターンを繰り返していました。

 

Kさんは、新築で入ったマンションに住んで10年。お気に入りの場所のはずが、家にいると気持ちが重たくなりやる気が出ないそうです。入居した当時のKさんは精神的に落ち込み、今思うと、「かなり酷かった」そうです。当時の画像が、今のお部屋にペタペタと残っているようです。

 

Sさんは、姉妹で借りた古い家に引っ越してから、ふたりとも恋愛がうまくゆかなくなり、異性との誤解やトラブルが続きました。家のある土地は、どうやら何十年も前には、「置き屋」があった界隈でした。


私たちの多くは、そのときに感じる感情、気分、考え方(思考癖)は自分の意志では変えられない、外的な要因によって引き起こされていると思っています。

そのため、そのまま、負のエネルギー温泉(ある意味、心地よいときがある)に浸ることになります。

皮肉っぽく聞こえますが、たとえそれが嫌な思いであっても、何かの拠り所があることで安心したり、落ち着けるところを、心の部分は求めているからです。

拠り所を断つことは、精神的な自立と、自立にともなう責任が発生します。

 

何らかの「過去への囚われ」によって、不調があると気づいたら、整理したり、デトックスしたり、気分転換、転地などしてみるとよいでしょう。