「早く家に帰りたくない」なんて聞いたら、家族やパートナーは心配するか、不可解な気持ちになるでしょうね。
一時、「帰宅症候群」という症状が流布しましたが、この「まだ、うちに帰りたくない」は、家に帰るのが怖いとか、嫌なことが家に待ち受けているわけではありません。
なんとなく、時間をつぶしたり、やらなくてもいい用事を入れてわざと遅く帰る、というわけです。
Bさんは、ここ数週間ご主人の帰りが遅いので、心配しはじめました。
「仕事だとか、みんなで呑みに寄ったとか言うんですが、連日だとおかしいと思うんです。問いただしたら、車の中で寝てたというんですよ!これ本当でしょうか?よそに別の女性とかいるんじゃないかと心配で・・・噓をつかれているような気もするし・・・」と。
それは、Bさんの夫は何年か前に浮気騒動があり(その後修復)Bさんはつい「またじゃないかしら?!」と心配になるわけです。
さて、ご主人の印象的な状況を拝見すると、早い時間までは数人と一緒に飲んでいたり、オーナーママがいるようなバーで飲んでいるのが視えます。しかし、その後、ひとりで別のこじんまりした店で2.30分静かに飲み直したり、ご本人の証言どおり、自分の車の中でボーっとしている様子が伺えました。
なぜ、そんな行動を取るのか?を視てみると、ようは「まだ、うちに帰りたくない」わけです。
妻や子供、家庭が嫌なわけではありません。ひとりで静かにしていたい・・・そんな感じです。また、夫が日中多くの人たちと無意識に気を遣いながら関わっているのも特徴です。
あまり行き過ぎると、うつ症状に近くなるという節もあります。が、「自分でいる」時間が少ないストレス人にとっては、マイ時間・空間を求めるのは自然といえるでしょう。
人との関わりによるストレスの解放・解消は、大勢とワイワイ楽しくすることで発散する、家族との安心感・親密感で癒される、非日常の人との関わり・サービスで解放する、そしてひとりでいる軸戻し・・・などがあります。
ちなみに、「まだ、うちに帰りたくない」は、夫・父親勢に限りません。そういう子供たちも結構います。
そして、ひとり暮らしをしている人も、「まだ、うちに帰りたくない」ために、遅くまで仕事・社交・趣味・飲食などに時間を費やす、という無意識の行動を取る場合があります。