夫が失踪して3回目というTさん。
昨年から、様子がおかしくなり、最初は1ヶ月半余り家に戻らず、家に戻ってきたと思ったらひと悶着あり、2ヶ月後にまた家を出てしまったとのこと。
そのたびにTさんは捜索願いを出し、お子さんたちと夫の帰りを待つ日々が続いていました。
今回は2月上旬から夫が帰らず・・・「ちゃんと帰ってきてくれるでしょうか?」というご相談でした。
土木建設関係の仕事をしている夫は、作業服を持って家出しているから、連絡が取れない間も彼のネットワークでそれなりに仕事をしていること。
子供たちの画像をパソコンに入れて持っていること。
昨年の仕事上のストレス。
家族に否定的な思いはない、などは読んで取れました。
さて、ほぼ夫は8割型で帰ってくるだろう・・・という目算が立ったところで、なぜ、よりによって度々失踪してしまうのか?を探ってみました。
こういう事態が続いても、ある程度落ち着いているTさん。生活をやりくりして子供達をちゃんと育てていますし、身近な姉妹にも相談しています。
夫は、こうした安定し本来なら落ち着ける状況に、どこか居心地がわるくなるようでした。そして、しっかりしたTさんに甘えることもできるのです。
そう、ちょっとあの「寅さん」がはいっています。
ところで、夫は子供時代に母親と別れ、父親とそのことで不仲なまま、絶交状態。Tさんとおつきあいしていた頃から「俺にはうち(実家)はないからな」と言っていたそうです。
Tさんとの結婚生活10年のなかで、彼自身に問題がないときはよいのですが、何か自分が不利な状態になったとき、落ち着ける家庭にいることは、彼にとって居心地がわるいことになるようでした。
彼の子供頃の「居場所」は、「困ったときにはうちがない」という思い込みのせいかもしれません。バツがわるいようです。
そんな夫の心情に合点がいくTさんは、「今度夫が帰ってきたら責めないで、帰ってきてくれたことに、ありがとう、と言いたいです」と。
4月、娘さんは入園とのことで、失踪から一月半、そろそろ夫は戻ってきそうな気配でした。
・・・たまにTさんが不良になるとバランスが取れるかもしれない?!と思いつつ、まずは家族の再会が何より優先です。
今のアナタの「居場所」感覚は、子供の頃の「居場所」を焼き直しているかもしれません。