「なんだか生きるのが虚しいんですよね。端からみたら、恵まれているように思われるし、確かに恵まれていると思うけど。でも、この気持ちは、誰にもわかってもらえないし・・・」

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Mさんは、私立中学の受験を控えた息子がいて、仕事の都合で別居中の夫の家の掃除をしに行くことが多いそうです。家族仲は普通で、特にこれといって問題があるとは言っていません。

私の口癖で「じゃ、ご相談内容から伺ってよいですか?」と尋ねるものですから・・・

Mさん「それが、よくわからないだけど・・・」と日常何をやっているか、ポツポツと話しはじめました。

夫以外の男性と1年ほど交際したけど、最近別れたことも。

「また、出逢いとかありますかね?」とMさんは、何か拠り所を求めるような口調です。

そのときに、ふぃに、夫がかつて女性がらみの問題があったという「画像」が出てきました。

それをお伝えすると、Mさんは、6年前のことを話始めました。それは表向き解決したものの、それ以来、完全に冷えている形だけの夫婦関係であると。

つまり、Mさんは、夫とのわだかまりをずっと抱えて6年過ごしてきたわけです。心から和解することなく、シコりを持ったまま、子どもたちや生活のために、家族の形を保っていらしたのです。

寂しかったり、虚しい気持ちを埋めるために、ほかの男性に目を移してみても、ろくな男と出逢わないのは、心のシコりがそうさせていると言えるでしょう。

このまま心のわだかまりを残すも由、でも、そうしないことを選ぶことも十分できるわけです。

「怒りやシコりを残したまま、夫の世話をするなら、ちゃんと大きなプレゼントをもらって詫びを入れてもらったら?」とお伝えしました。形があるもので、過去を昇華したほうがよいのでは?と。

昇華とは実現不可能に見えることを、別のより認められる方法で、その欲求や葛藤を満たすことです。 

突然、Mさんが笑いだし、「あぁ、そうしますかねぇ〜」と。

Mさんは、なぜ、虚しい気持ちが抱えて続けていたのか、合点がいったようです。

「いくらごまかしても騙せないのは、やっぱり自分の心なんですね」と。