先日、イギリスにお住まいのご夫婦がセラピーを受けてにみえました。一時帰国している間に、ご相談ごとがあると。
奥さまは、息子さんのことをとても大切に愛していて、母親としてもっとしてあげられることは何なのか?と強く思っておられました。育児の仕方にも疑問があり、将来についても愛するゆえに案じているようです。
ご主人は、「ぜひ、この子が今どう思っているのかを知りたくて・・・」と、父親らしい口調で言われました。
年齢は、1才と5ヶ月とのこと。ご両親とも、息子さんへの愛情で溢れんばかり。
さて、お二人ともセラピーは全く初めて。お知り合いの紹介で「行ってみては」と勧められたそうです。
どうも小難しくセラピーをご説明するよりは、リーディングで状況をお伝えするほうがよいようにお見受けしました。
息子さんは、とても元気で明るく、物覚えや理解が早いとすぐにわかりました。健康優良児で他人からみても、つい「ほーいほ〜い」と声をかけたくなるような、光いっぱいな赤ちゃんです。大人の気持ちや周りの状況もすぐわかるような闊達な印象。
両親に対して、何か要望があるわけでもなく、ただ、そのまま自然な状態でよい、といった様子を受けました。ただ、お母さまは、しっかり強い愛情で赤ちゃんの手を握っているようでした。
「そう、私がこの子に頼って、自分の感情をぶつけてしまってるかもしれません」とお母さま。
他にも「どんな子に育っていきますか?」「いつもの食事には不満に思ったりしていないですか?」など、たくさんご質問されます。またお母さま自身についても、内面的な諸々がリーディングで出てきました。
セッションが1時間をとうに越えた頃・・・お母さまの口調が、ようやく過去形になり始めました。
そして、息子さんといた家に戻るのが辛いこと、翌朝息をしなくなっていた息子さんを見つけたときのこと、遺骨と一緒に寝ていたことを少しづつ話し始めました。
常に健康診断では健康とされていたそうで、乳幼児にごく稀にある事態です。翌々日が四十九日とのことでした。
そのとき、ようやくそれまでお母さまの横にいるように見えた赤ちゃんの姿が、ふぃに上方に去っていくように感じました。きっと、今度コチラに来るときは、遊びにくるという印象です。一度、お帰りになったのでしょうね。
少しお母さまのお気持ちが落ち着いたようで、最後に、息子さんとのこれまでの生活を撮ったアルバムを見せてくださいました。
本当に愛と愛情と光(ピカピカしている)に溢れている写真ばかり。私は、このセラピーの時間で初めてお会いしたわけですが、身内かご近所に混ぜてもらったような感覚でした。
そのアルバムの最後の写真は、出産後に御礼参りにいらした「水天宮」での3人の家族写真でした。
志麻:「今日、いらっしゃるからココに入れておいたんですか?」
お母さま:「あぁ、いえ、たまたまですよ」
地元風景にちょっと驚きました・・・水天宮さんのご縁でしょうか。
ところで、大切な人やご家族とこちらの世界でお別れしないまま、しばらく、ときには随分長く一緒に生活を続けていくことがあります。しばしばそのようなケースを拝見しますが、私には「死別」には見えないのです。
現実を受け入れられない、と周りは心配するかもしれません。ただ、必要な現実の時間を要してもよいでしょうし、きっとあちらに逝かれた方のほうが、何らかのサポートをしてくれるものです。