独自のエネルギーを燃焼して創作活動をしてアーティストは、ときに創りだせなくなるスランプがやってきます。人それぞれ、創作物にもよりますが、アーティストとしての自分ではなく原型の自分を休息したり、充電することです。
建築デザイナーのN氏は、一世風靡した時代から比べると焦りが出てきました。「それほど仕事が減ったわけでもないのに、独自の発想が枯れていくイヤな気がするんですよ」と。常日頃、自分のアイディアとお客様に喜んでもらえる設計を心がけていると言います。一見すると、建築家N氏のエネルギーが枯渇してきています。建築家のレベルで焦っているようです。しかし、実際には、平素のNさん自身を充電してあげる必要がありました。プロ意識はすでに培ったもの。意識的にNさん自身に戻ってあげないと、建築家としての表現力もお客様の要望もわからなくなっていきます。
Nさんに限らず、創造関係の取り組みをしている人は、自分の本質と創造物のエネルギーが引き合うときに、感性が開き、望むものを生み出せます。自分の原型が枯渇すると、創造能力が減衰していくのです。
では、「原型の自分って何?」
「あなたは誰ですか?」と自分に問われて「んー、実はわかりません」という状況や境地、時間を過ごしているとき。私たちは、自分を知っている誰かと一緒にいたり、他人が知っている自分の活動をこなしていると、自分がわかったように思います。それは社会的アイデンティティだからです。
「原型の自分」が枯れてくると、何か疲れて、うまく回れなくなってきます。そんなときは、普段やっていることを一度お休みして、むしろ日頃やらないことをやったり、何気ないことをして時間を忘れてみます。社会活動に専念しているときには、他人が理解するアイデンティティが必要。でも、魂のアイデンティティは、自分が「自分」をやっていればいいのです。時間を忘れる位、ぼぉ~としたり、好きなことに没頭することも大事。たまにそういう状態で、自分の原型を癒してみましょう☆