人を呪わば穴二つ・・・・
人を恨んだり、呪うほどの怒りや憤りを抱くなら、その呪いや念は自分に跳ね返ってくるであろうから、墓穴を二つ掘っておけ、という意味で理解されていることが多いでしょう。
何らかの経緯を経て、強い怒りや許せない感情を持ち続けている方が、たまにクライアントや生徒さんの中にいらっしゃいます。
心理や精神世界を学び、本からの情報や勉強を通して、古い怒りや感情を昇華し、もう「怒りは手放した」とおっしゃる方もいます。
怒り、呪い(強い念を伴う)は、私たちが歳月を数える時間軸とは異なる周波数を持っています。
念が強いものほど、時空を超越し、当事者がここにいなくても、その感情や念だけはパワーを持ち続けるのが特徴です。
「人を呪わば・・・」がなぜ起こるのか?
2つの説をご紹介したいと思います。
1)物質を超えた次元では、自分と他人という物理的な違いを区別しないため、他人に怒りや恨みを向ければ、自分に向けているのと差異はないことになります。
よくある例として、怒りや恨みが強いストレスとなり、病気や事故などを引き起こす可能性があります。
怒りや呪いには、爆発的な破壊力があります。
ちょっとしたイライラや不機嫌から(不注意にいたり)、怪我や事故を起こすことは少なくありません。
物を壊したり、電子機器に不具合を発生させることもあります。
もう何年か前のケースですが、
30才で脳に腫瘍ができ、幸い早期発見で手術に成功し生活に復帰できたNさん。
そんな大変なことがあったようには見えない明るい印象でふだんは振舞っていますが、リーディングでエネルギーレベルの情報を拝見すると、第6チャクラあたりに違和感のある黒いモノがありました。
その奥には、Nさんが「あの人だけは絶対許せない。絶対一生幸せになってほしくない」と思っている過去の人物がいました。
2)少しばかり情の入る深層心理で解釈するなら、人は怒りや恨むほどの辛い思いをすると、そうさせた相手に向ける矛先とは別に、
そもそもそのような体験を招いてしまった自分を許せない、そのような体験を抱き続けるのはあまりに辛い、と深層心理では受け止めるようになります。
すると、たとえ怒りや恨みなどを、しかるべき手立てや復讐などで果たしたとしても、自らを罰したり、記憶を消したくなるような行動に出ることがあります。
言葉や本人の表面意識(顕在意識)では「これでスッキリした!」「復讐を果たした!」などと満悦していたとしても、です。
長年の身内の紛争で権利を奪われてしまい、混乱した当時を振り返って話されたKさん。
「許せない、そのときは本気で殺してやりたい、殺して自分も死のうと思いましたよ!」と、ふだんの温厚さとは一転した衝動だったようです。
また、男性および、男性エネルギーの強い女性が、強く愛していた相手に裏切られると、あまりに自分が辛いあまり、相手を消したい(殺したい)!と衝動的な感情にとらわれがちです。
ほとんどはその前に理性や客観性が働き、そうは至りませんが。
怒り、恨みというと大げさに聞こえるでしょうが、親子関係のわだかまりや憤り、子供時代の不満や未消化な気持ちが残っており、自虐的な習慣を続けたり、人生のシナリオを創ることがあります。
いつも頑張らないといけない、リラックスして安らぐことができない、やるべきことをやらないと罪悪感がある・・・などの緊張感やストレスが、身体の痛みやコリに出るという日常レベルの「・・・穴ふたつ」もあります。
かつては苦しいだけであった母娘関係が、インナーチャイルドや表層的なヒーリングで楽になり、ずいぶん乗り越えたと思っているHさん。
リーディングをさせていただくと、Hさんが、かつて一番強烈に辛さを感じた頃に発生した「絶対あの女は許さないわ!」という感情は、時間のないゾーンに滞留したままのようでした。
Hさん「えぇー、もうすっかり自分では和解しているし、わだかまりもないと思って、最近も会ってきたのですが・・・」
きっと、ここ最近のHさんは充実した日々を過ごし、まったく気にされていないのでしょう。
休火山のように、眠っている深層部分の”情報”です。
Hさんは、ご本人にとってはそれが当たり前のことですが、頑張り屋さんすぎてしまい、何年も慢性的な肩こりや首の堅さを抱えています。
整体などでほぐしても、しばらくするとすぐ凝ってしまうそうです。
ご本人が日頃はまったく自覚しないレベルで、古く堅く残留している(念に近い)感情やエネルギーが、ときに理由のわからない辛い状態に結びついているものです。
言葉にすると皮肉に読んでとれそうですが(苦笑)
「そのままのあるがままの自分では、幸せになれっこない」「幸せになりたいけれど、自分はムリに違い」という少々面倒な深層構造から、幸せを求めつつもそうなれない人生を体現することもあります。
ただし、現実レベルではそれなりに恵まれている方である場合が多いのです・・・・