発展志向、自己成長志向の強いタイプの方々は、とかく、人生はスムーズに上昇していき、さらに理想とするところで安定しつつ、さらに高みを臨む傾向にあります。

 

高みといっても、だんだんそのバリエーションが増えていきます。

単純に、高い、低い、中ほどなどのレベルの差異ではなく、質やバリエーションが多岐に渡っていくのです。

 

雑多な意識で発展や成長をめざすと、とかく他者や周囲との比較が起こり伸びなやみになりますが、誠実なる発展や成長に務めるなら、結局すべての物事が発展や成長に通じていくのだとわかっていくでしょう。

 

結果や成果に見えることは一区切り、節目。

 

期待していたような結果や成果でなかったとしても、それらが一区切りや節目であると理解しているならば、糧や学びや何かしらプラスなものになります。

 

発展や成長のなかで、ひとつ顕著に欠かせないプロセスがあります。

それが、人生を立ち止まること、です。

 

ふっと立ち止まるかもしれないし、バタンと派手に止まるかもしれません。

だれしも人生のなかで、経験する可能性があります。

 

「人生」というほどのスペックでなくとも、ルーティンな日常、短期間の生活サイクル、人間関係やコミュニティーのパターンなどで、発生するかもしれません。

この立ち止まりは、本人も、また身近な人にとっても不安や辛さを経験するかもしれません。

 

だいたいは、流れが止まることに対する問題視から不安や辛さを感じるのですが、そんなときは、

 

問題(トラブル)が起こっているわけではなく、何かを確認したり問いただすためのことが起こっている、と思っておくとよいでしょう。

 

同じ流れの状況を続けていては、方向転換や他の可能性を試すことができないのですから、立ち止まりは、そのきっかけになります。

 

そんな人生の立ち止まりの中に比較的多いものとして、心理的な症状です。

 

その症状によって、日常や、仕事や学校などの義務を続けるのが難しい、という事態が発生します。

軽度のうつ症状は、一般的にとても多いです。

 

うつ症状が問題の核心ではなく、立ち止まる理由、必要があるところがポイントですね。

 

その理由や必要性に、本人の潜在意識は承知していますが、表面意識やメンタル(思考)は自覚していないかもしれません。

 

 

ご主人がうつ症状のため職場を休職になったSさん。

ご主人の健康や気持ちを優先すると、これを機に転職や、将来を見据え環境を変えた暮らしなどについても、家族でよく話し合ったそうです。

 

いろいろな意見、異論が出るなか、選択肢はいくつかあるものの、決め手がないとのこと。

 

透視カウンセリングで拝見するところ、ここひと月あまりのご主人は、急速に心のスタミナは回復なさっているようですが、まだハッキリと先行きが決まるには、立ち止まり期間が必要なようです。

 

ご主人とSさんは、近年は、日々の生活や人生の充実感が安定し潤ってきているところでした。

だからこそ、これまでのように、世俗的な安定のために肝心なものを費やしたり、自制や代償的な犠牲を課しているような生き方を振り返る機会が訪れたようです。

 

平穏なサイクルが止まることに不安はあるものですが、価値観や大切な観念の切り替えどきには、立ち止まりが起こります。

 

ポジティブなもの、むしろ恵まれた機会だと心得ておくと、ほどなく新たな兆しが感じられてくるでしょう。